アメリカで話題の「SaaSの死」とは?AI時代にSaaS業界はどう変わるのか【米国・日本事例】
2026年2月25日
目次
アメリカで騒がれている「SaaSの死」とは?
近頃、米国の業務ソフトウェア企業の株価が急落したことをきっかけに、「SaaSの死」という言葉が注目を集めています。
SaaS業界は本当に衰退してしまうのでしょうか。
本記事では、
- なぜ米国の業務ソフトウェア企業の株価が急落したのか
- 「SaaSの死」と言われる背景は何なのか
- AI時代にSaaS業界はどう変化していくのか
について、米国・日本のSaaS企業事例を交えながら解説します。
SaaSとは?(基礎知識)
まずは「SaaS(サース/サーズ)」について簡単に整理します。
SaaS(Software as a Service)とは、
ベンダー(提供事業者)が管理・運用するソフトウェアを、ユーザーがインターネット経由で利用するクラウドサービスのことです。
SaaSの主な特徴
- インストール不要で、ブラウザから利用可能
- 月額・年額のサブスクリプションモデル
- 常に最新機能・セキュリティ状態を維持
- 保守・アップデートはプロバイダー側が対応
これらの特性から、リモートワークとの相性が良く、運用負荷が低い点が大きなメリットとされています。
「SaaSの死」とは何を意味するのか?
業務効率化に欠かせないSaaSですが、なぜ「死」という強い表現が使われているのでしょうか。
この言葉が広まった背景には、Microsoft CEO サティア・ナデラ氏の発言があります。
サティア・ナデラ氏の発言(要旨)
- 「ビジネスアプリは本質的にCRUD(作成・読み出し・更新・削除)を行うデータベースである」
- 「そのビジネスロジックは、今後AIエージェントへと移行していく」
- 「AI層にロジックが移動すれば、従来のバックエンドアプリは置き換えられる」
この発言から、「AIの進化によって従来型SaaSの役割が薄れるのではないか」という見方が広がり、
象徴的な表現として「(従来型)SaaSの死」という言葉が使われるようになりました。
なぜ米国の業務ソフトウェア企業の株価は急落したのか
2026年2月3日、北米・欧州の株式市場で、データ分析・プロフェッショナルサービス・ソフトウェア関連企業の株価が急落しました。
主な要因:AIエージェントの進化
市場関係者が注目したのが、AIスタートアップ企業「Anthropic(アンソロピック)」の動向です。
同社は2026年1月30日、以下の業務を自動化する
「Claude Cowork(クロード・コワーク)」エージェント向けプラグインを発表しました。
- 法務
- 営業
- マーケティング
- データ分析
これにより、「これまでSaaSやプロフェッショナルサービスが担ってきた業務が、AIに代替されるのではないか」という懸念が投資家の間で急速に広がりました。
AI時代における米国と日本のSaaS業界の取り組み
「SaaSの死」が叫ばれる一方で、実際のSaaS企業はAIを取り込む方向へ進化しています。
米国のSaaS企業事例
Oracle(オラクル)
- 自社SaaSアプリにAIエージェントを統合
- データ入力・処理などの定型業務を自動化
- ユーザーが独自のAIエージェントを構築・運用できるプラットフォームを提供
→ SaaS×AIによる業務プロセスの高度化を実現。
Adobe(アドビ)
- クリエイティブ領域だけでなく、マーケティング分野にもAIを本格導入
- 「Adobe Experience Platform Agent Orchestrator」を発表
- 複数AIエージェントの構築・管理・連携を可能に
→ 複雑な業務フローをAIで横断的に支援する体制を構築。
日本のSaaS企業事例
freee(フリー)
- 経費精算・年末調整などにAIを活用
- 申請内容をAIが自動判定・補助
→ バックオフィス業務の大幅な省力化を実現。
SmartHR(スマートエイチアール)
- 人事・労務の問い合わせ対応に生成AIを導入
- 社内規程をもとにAIが自動回答
→ 業務負荷軽減と応答品質の均一化を実現。
Sansan(サンサン)
- 名刺情報のAI自動入力補完
- 営業文脈を理解したレコメンド機能
→ B2Bデータ活用の精度向上に注力。
まとめ:SaaSは「死ぬ」のではなく「進化する」
本記事では、米国で話題となっている「SaaSの死」について、
- 発言の背景
- 株価急落の要因
- 米国・日本のSaaS企業の実際の動き
を整理しました。
結論として、「SaaSの死」=「SaaSが完全になくなる」という意味ではなく、
AIの進化によって
- 定型的・単純な操作はAIが担う
- SaaSはより高付加価値な体験・意思決定支援へ進化する
という役割の変化が起きていると考えられます。
今後のSaaS業界は、
「AIに代替される側」ではなく「AIを活かす側」へ進化できるかが、成長の鍵となるでしょう。



